犬と暮らす人生

犬と共に暮らすようになってどれほど経ったのでしょう？今一緒に暮らしている愛犬リンは、実家の犬を含めると5頭目。１４歳になるミックス犬は、恐らくラブラドール・レトリバーの血が入っているみたい。とても人懐っこく食いしん坊だから。リンの前にラブラドールを飼っていたから、良く分かります。

 

 

愛犬の異変

そんな愛犬リンに危機的状況が訪れたのは、ちょうど一か月くらい前のことでした。

 

ある日突然、リンが下痢し始めました。夜中に用を足したくて夫や私を起こします。外に連れ出すと、チョコレート色の水鉄砲をなったり、しゃがんでも出なかったり……。

 

そして、下痢だけでは足りないのか、嘔吐もしました。朝、起きてみると、和室の畳に泡の立った粘っこい液体の塊が。夫がいくら掃除してもどうしても跡が残るくらい、強烈な胃液でした。

 

出すだけではなく、食べません。

 

フードも要らない。

大好きなものなら食べるかな？口元に持って行きます。

 

茹でたささみ。「いらない」

茹でたサツマイモ。「いらない」

カツオ節。「いらない」

家で作ったほんのり甘い米粉のお菓子も欲しがりません。

 

食べない。そして、とうとう出すものも無くなってきました。

 

しゃがんでも出ない。

でも気になるから外に出たがる。

 

水は飲むものの、みるみる痩せていきました。

 

「ああ、その時期はもうすぐ来るんだな」

少しづつ覚悟を決め、リンと関わりました。

 

そのころに書いた走り書きを、ここに転載します。

 

 

４月２６日

嘔吐、下痢が始まる。お昼に食べたこんにゃく・鶏ささみなどを吐く。何度もえづいて胃液も出す。下痢も何度も……。夕食食べず。夜中にも散歩に連れ出す。

 

 

 

松葉オイルが愛犬の命を繋ぐ

水だけしか口にしないのだろうか？このまま命の火は消えてしまうのか？なんとか、できることはないのだろうか？

 

自問自答を繰り返しました。

 

そして、ふと松葉オイルを手のひらに出し、リンの口元に差し出しました。

 

ペロペロペロ……。

 

舐めた。

よかった……。

 

自分が作った商品が。

自分が大事にしてきたものを、リンが舐めてくれるなんて。

 

あの時の感動は、今でも忘れられません。

 

 

 

元々リンは、松葉オイルを舐めるのが好きでした。その様子を動画に撮って、いつか宣伝用にアップしようと思っていたくらいです（その動画がこちらです）。

 

 

松葉オイルは食用ではないです。でも原材料は、太白ごま油に松葉を抽出したもの。身体に悪いものは一切入っていません。人間と違い、動物は自分の身体に合っているものかどうか、本能で判断します。人間が「それは食べ物ではないよ」と言ったところで、犬はおいしいと思えば欲しがります。

 

リンは常日頃から、わたしが肌に着けるのを見るたびに欲しました。良質の脂を舐めるせいか、以前より毛艶が良くなったくらいです。

 

４月２７日

朝起きて散歩へ。食べられる草を探す。チョコレート色した液体状の便を出す。

朝食食べず。松葉オイルのみ舐める。昨日のような嘔吐は一度だけ、黄色い胃液。お昼ご飯を夫と二人で食べているのに興味なし。足元に伏せている。

夕方５時過ぎにベッドでおもらししていたので、連れて出る。

（中略）

今も落ち着いて寝ている。霊界に居る時間が長くなっていそうだ。

 

この後のメモには、ゴールデンウィークに出店するために行く京都の前に看取るかもしれない、という覚悟が書かれていました。

 

 

苦しい時期にもやることはある

実は、夫と私は社交ダンスをしています。４月２８日はダンスの競技会に参加する予定でした。こんな状況のリンを車に乗せ、試合の間は車に待機させていました。木陰の風通しの良い駐車場で、リンはゆったりと待っていてくれました。

 

そして、２９日だったか３０日だったのか。リンが餌を食べるようになったのです。食べることに興味を持つように変わりました。

 

５月１日

昨日だいぶ食べるようになったお陰で、朝の散歩で形のある便が出た！！！

ゆっくりと眠っている感じ。身体を休ませ、善い方向へと向かっている。

 

 

そして、５月３日には片道１３時間のドライブに耐え、京都まで一緒に行きました。縁あって、地球愛祭りというイベントの最中は、リンを預かってくれる場所があり。離れるのはかわいそうだったけど、ゆっくりとした時間の流れる場所で待っていてもらいました（実際はドッグカフェなので、あまりゆっくりできない時もあったようです）。

 

そして、気が付けば、食べず下痢嘔吐した頃から一か月が経ちました。

 

食欲が戻ってからは、それまでを取り戻すかのように食べる量が増えて。あげてもあげても欲しがりました。一回落ちた筋肉は完全には戻らないのか、時々躓いていますが、全般的にはすっかり元気です。

 

少し前に近所の犬友さんから、犬の間で急性胃腸炎が流行っていたと聞きました。除草剤をあちこちで撒いている時期でしたから、散歩中に口にしてしまったのかもしれません。

 

 

乗り越えた今だから思うこと

あの４月下旬の時期。

苦しかったけど、真剣にリンの体調と向き合いました。ダンスの試合があったり、出店の準備があったり、時間的にはやることがたくさんだったけど。でも、以前よりオロオロとせずに、対処できていたと思います。

 

一回は犬の葬儀についても調べていましたが。とりあえず、まだ必要なさそうです。リンの命、宿命はまだ先があるみたい。それまでしっかりと一緒に。愛情を注いでいきます。

 

 

そして、相変わらず私が松葉オイルを使うと「ちょうだい！」と目で訴えるリンでした。

 

 

リンの写真は那須/白川のフォトグラファー　イズミさんに撮影していただきました。

今年３月の写真です。

イズミさんの写真はこちら。