松葉の栄養をめぐる旅②~大航海時代の船員を救った松葉とビタミンC
こんにちは。
松葉研究家の及川みぃちゃんです。
前回から松葉の栄養をめぐる旅と題して、松葉の栄養について詳しくお伝えしています。
第一回は、松葉に含まれているアミノ酸についてお伝えさせていただきました。
「必須アミノ酸が含まれている植物性たんぱく質なら、大豆食べていればいいじゃん!
松葉を飲んだり食べたりしなくても!」
なんて、わたしの中の悪い奴がそそのかします(って、悪い奴って誰?)。
松葉には、他にもたくさんの栄養が含まれています。
第二回目の今回は、ビタミンCについてお伝えさせていただきます。
大航海時代と壊血病
15世紀半ばからヨーロッパ、主にポルトガルとスペインが新しい地━━アフリカやアジア、アメリカ大陸に向けて、大海原へと航海しました。
大航海時代の始まりです。
船乗りたちは、新天地に向かう途中、嵐で命を落とすほか、病氣も見えない敵でした。
その中で壊血病という恐ろしい病氣がありました。
壊血病になると、歯ぐきから血が出たり腫れたりし、出血は皮膚全体からも。
歯が抜け落ち、免疫が落ちていき、最後には死に至る病氣です。
身体だけではなく、精神にも異常を来たす恐ろしい病、壊血病。
今では、壊血病にならないためには、ビタミンCが不可欠、と分かっています。
しかし、当時は全く手の施しようがない、なす術無しという状態。
この大航海時代に壊血病が原因で死亡した船員たちの数は、南北戦争の戦死者の3倍以上ともいわれています。
漫画「ワンピース」にも壊血病についての描写があるそうですね(ワンピースファンではなかったので、知らなかったです!)。
「命の木」と呼ばれた松やトウヒ
そんな大航海時代の主役の一人、ジャック・カルティエ。
フランスの冒険家であり、違う面からみれば、北米の侵略者でもあります。
カナダという地名を付けたのでも有名な方です。
ジャック・カルティエは、カナダ方面を3回航海しています。
1536年の寒い冬、長い航海で弱っている船員たちに、地元の先住民であるイロコイ族(アメリア・カナダ周辺のインディアンの集団部族)から煎じ薬をもらいます。
それは、「アネッダ」と呼ばれている針葉樹の葉と樹皮を沸騰させたものでした。
その煎じ薬を飲んだお陰で、ジャック・カルティエ率いる船員たちは、壊血病を治癒し、予防することができたのです。
喜んだジャック・カルティエはフランスにその木を持ち帰りました。
そして、「命の木」と呼ばれるになったとか。
イロコイ族が「アネッダ」と呼んだその木は、松やトウヒだといわれています。
松などの針葉樹が、船乗りたちの命を壊血病から救ったのです。
蛇足ですが、
- ビタミンC不足が壊血病
- ビタミンB1不足が脚気(日清戦争のとき、日本兵が白米をもって大陸に行き、大量に亡くなったことは有名)
- ビタミンB3不足はナイアシン欠乏症(ペラグラ)
どれも、現代では先進国ではあまり見られない病氣です。
ストレスの多い環境にビタミンCたっぷりの松葉を!
現代は壊血病に恐怖にさらされることはあまり無いでしょう。
しかし、その反面、ストレスに晒されることのなんと多いことか!
ストレスを感じると、ビタミンCを消費します。
その時に、松葉を煎じたものを飲んだり、噛んだり(!)することで、ストレス解消することも。
長い旅行や長期出張など、栄養バランスが崩れがちな時にも松葉のお茶などをお供にするのもおすすめします。
わたしはこの夏、週末の度にある方の追っかけで金曜日から日曜日まで(あるいは月曜日まで)出かけていました。
ほぼ毎週です!
それでも大きく体調を崩さなかったのは、松葉をいつも煎じて飲んでいたからからかもしれません。
(あるいは、好きなことをしているときは、元気でいられる、という話も!)
クエン酸とビタミンC
もう一つ、松葉とは直接関係ないのですが、栄養学で押さえておきたい話題を一つ。
クエン酸とビタミンCについてです。
わたしは違うのは分っていたのですが、曖昧になっていたので、今回、改めて勉強しました。
クエン酸とビタミンCの共通点
クエン酸もビタミンCも酸っぱく、かんきつ類に含まれています。
だから、混同しがちです。
クエン酸とは身体がエネルギー変換するのに不可欠なもの
クエン酸回路(TCA回路)というエネルギー回路があります。
人は酸素を摂り入れて、代謝というエネルギーを生み出します。
その時、クエン酸回路というものを使います。
アセチルCoAとオキサロ酢酸という物質が外部から入ってきて、クエン酸回路が始まります。
その最初に反応してできる物質がクエン酸です。
わたしにはこの程度しか説明できません。
もう少し自分の身体のメカニズムについて詳しく知りたい方は、このブログが参考になるかも!
そういえば、代謝についての本を持っていたなぁ。
改めて勉強してみようと思います。
ビタミンCは人間が生きているために不可欠な栄養素
一方、ビタミンCは、人が体内で生成できない栄養素の一つで、水溶性のビタミンの一種です。
だから、日々摂取する必要があります。
昨日たくさんビタミンCを摂ったとしても、今日全く摂らなくていいということにはならないのです。
まあ、一日なら問題ないとは思いますが。
日々、摂取したい栄養素です。
なぜ、必要なのかといえば、以下の役割があるからです。
- コラーゲンの生成。骨や皮膚を作る材料となる
- メラニンの生成を抑制
- 免疫力の強化
- 体内に入ってきた異物に対する酵素を活性させる
- 活性酸素を取り除く作用
- 鉄の吸収を助ける
ちなみに松葉は鉄も多く含んでいます。
鉄とビタミンCが一緒に含まれている松葉は、貧血対策にもなりそうです。
まとめ
- 大航海時代、多くの命が失われた壊血病という病気があった
- ジャック・カルティエ率いる船乗りたちをその壊血病から救ったのが、イロコイ族から教えてもらった針葉樹の煎じ薬
- 「命の木」と呼ばれる松、あるいはトウヒにより、壊血病から多くの命を救った
- その後、壊血病はビタミンC不足と解明
- クエン酸はエネルギー代謝を生み出す回路
- 松葉に多く含まれているビタミンCは、人間が生きる上で必要不可欠な栄養素
松葉というより、針葉樹という大きなくくりとなりましたが、船乗りたちにとって、ビタミンCが何より必要であったことが分かることができました。
わたし達も日々生活するうえで、ビタミンCをこまめに摂りたいものです。
関連情報
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