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松葉に旬はあるの?松の栄養価の推移と松の成長サイクルから推察する

野菜には旬があります。今の時期秋でしたら、栗・サツマイモ、魚ならサンマでしょうか?他にもキノコ類もおいしい季節です。ところで松葉にも旬があるのでしょうか?一年中枝には緑の葉があります。真冬の雪が降っている時期にも青々とした葉を茂らせている松。松葉にも旬があるのか、探っていきたいと思います、良かったら、最後までお付き合いください。

 

松葉の旬の時期は?

松葉は一年中青々として私たちに恵みをもたらしてくれます。しかし、一年の中でも栄養が豊富な時期とそうではない時期があります。松は必須アミノ酸が全て含まれていて、更に他のアミノ酸も多く含有しています。そのアミノ酸の変化を追います。

 

 

こちらの表は赤松のアミノ酸の変動を表したものです。赤い文字がアミノ酸が多い月です。だいたいが3~4月に集中していることが分かります。

 

アミノ酸は種類によって味が変わる

アミノ酸は人間が生きる上で必要な栄養であり、特に必須アミノ酸はなくてはならない存在です。またアミノ酸の中で「グルタミン酸」「アスパラギン酸」が旨味と呼ばれています。また、甘みのアミノ酸は「グリシン」「アラニン」等。また他のアミノ酸は苦味でもあります。松葉が甘く感じたり、酸っぱく感じたり、時には苦味を感じるのは、このアミノ酸のバランスが変わるからかもしれません。

 

アミノ酸の旨味・酸味

  • グルタミン酸
  • アスパラギン酸

 

アミノ酸の甘み

  • グリシン
  • アラニン(パンテトン酸)
  • トリオニン
  • セリン
  • グルタミン
  • プロリン
  • アスパラギン

 

アミノ酸の苦味

  • トリプトファン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • システィン
  • リジン
  • チロシン
  • フェニルアラニン
  • アルギニン
  • パリン
  • メチオニン
  • ヒスチジン

こうやって見てみてると、必須アミノ酸はほとんどが苦味成分。それは「良薬は口に苦し」ということかもしれません。

 

また、松はほのかに酸味もあります。それは、リモネンという柑橘系に含まれるファイトケミカルです。オレンジやレモンに多く含まれています。このリモネンが松にもあります。実際に松葉を噛んだり松葉茶を飲んだりしたときに、ほのかな酸味を感じたことがあるかもしれません。他の栄養、例えば、鉄やベータカロテンが多い時期、というのはそのようなデータが無いので分かりません。おそらくどの栄養も時期によって多い少ないという変化があることは想像できます。

 

旨味が多い時が旬?

だいたい野菜や果物は旬の時期に食べると、美味しい!甘い!と感じます。そうであれば、やはり旨味成分や甘み成分が多い3~4月の時期ということになります。松が大きく成長する春。草木がどんどん枝を伸ばし葉を茂らす時期に、松も多くの栄養を葉に蓄えるのでしょう。

 

松葉の旬は春(3~4月)

 

 

松の葉以外にも栄養豊富なものが!

 

春先の松の緑

松は春先に緑というその後、枝となる部分が成長します。そのにゅーっと伸びた緑は「松葉液」の原料として重宝します。この松の緑を砂糖水に漬けておくと、美味しい甘みのある飲み物になります。松が発酵して何ともいえない美味しさになるのです。この時期しか見られない松の緑。松の旬の一つです。

 

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初夏の青ぼっくり

また、6月頃からは松ぼっくり(松かさ)が青く実ってきます。この青い松ぼっくりを青ぼっくりと呼んでいます。この青ぼっくりはホワイトリカーなどに漬けこんでもよし、砂糖に漬けてあおぼっくりはちみつを作ってもよし、青ぼっくり茶や、青ぼっくりのシロップ漬けなど、松葉と同じように活用することができます6月から8月は青ぼっくりが松の旬となります。

 

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真冬の時期にも松葉

 

今でこそ、ビニールハウス栽培や冷凍・冷蔵の技術が発達して、真冬でもいろんな野菜や果物が手に入るようなりました。しかし、ひと昔前は、冬は米や麦などの穀物や乾燥させた野菜(切干大根等)や乾物、長期保存の効くイモ類などに限定されていました。冷蔵庫が一般家庭に拡がったのも高度経済成長と呼ばれる昭和40年代の事です。まだ50年しか経っていません。

 

それまで冬にビタミンCやベータカロテン、あるいはアミノ酸が豊富に採れる緑黄色野菜は雪の降る地域では畑で作ることはできません。そのような寒い時期に松は大変役に立ったのでしょう。刻んで煮出せば、身体が温まる。血流が善くなって、代謝も活発となり、動くことが容易になります。

 

冬は松の旬ではないものも、厳しい季節に欠かせない食材、栄養源だったと推察できます。今と比べたら、どこでも松は植えられていたし、戦前は里山といえば赤松が生えていたのですから。

 

まとめ

  • 松葉の旬は3~4月
  • 松の緑は4月から5月頃に活用できる
  • 青ぼっくりは6月から8月に活用できる
  • 必須アミノ酸は苦味成分
  • ひと昔前まで、緑黄色野菜の少ない冬に松は活躍していた

こうやっていろんな角度から松の木全体を観察すると、松は一年を通して栄養豊富です。季節によって増減はあるものの、人間の必須なアミノ酸などは一年中採ることができます。他の植物では見られない通年通して恩恵を受けられる松。一年中、松の恵みを得られるのはありがたいことです。あなたの生活の中にも松を取り入れてみませんか?

この記事を書いた人

及川美由紀(みぃちゃん)

1969年生まれ東京都出身。2022年鎌倉より山形県酒田市に移住。「庄内に住むのなら松の良さを広めなさい」という内なる声に導かれて松仕事を始める。(好きなこと)文章を書くこと、夫と踊ること、氣功すること、ヴィーガン料理を作ること。著書に「心の病は自分で治せる」がある。愛読書は「大日月地神示」。

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