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松は鉄を嫌う?松葉茶の美味しい淹れ方を改めて検証してみた

松葉茶は様々な効能があることで、最近注目を集めています。特にデトックス効果を期待している方も多いことでしょう。今回は、松葉茶の美味しい淹れ方と「松は鉄を嫌う」という言い伝えについても言及していきます。よかったら最後までお付き合いください。

 

 

松葉茶の美味しい淹れ方

 

どんな状態の松葉を飲むのか?

松葉茶を淹れるとき、利用する松葉は大きく3つに分かれます。

 

  1. 生の松葉を使う
  2. 乾燥した松葉を使う(多くの市販の松葉茶はこちらに該当)
  3. 粉末の松葉を利用する

 

今回は1.の「生の松葉を使っての淹れ方」です。生の松葉には生の良さがあります。ガンに効果的という説を唱えている世古口裕司さんという方は、当日取ってきた生の松葉で松葉茶を作ることを勧めています。詳しくは記事に書いていますので、よかったらどうぞ。

 

松葉がガンに効果あり?!イタリア人医師による「ガンの新しい治療法」 | 躍る大地

 

さて、乾燥した松葉はどうなのか?といわれたら、実は栄養素を比較したことがないし、そのような比較データが無いので不明です。

ただ、しいたけを干ししいたけにすると太陽の恵みで栄養価(グルタミン酸)が増すように、天日干しした松葉はアミノ酸が増えているという理論は成り立ちます。ただ市販品は電氣での乾燥がほとんどでしょうから、どれだけアミノ酸が増えるのかは分からないです。乾燥しても松葉は松葉。充分に美味しく飲むことができます!

 

 

生松葉を使った淹れ方

 

①松の枝から松葉を外します

 

 

今回はこのくらいを1回で使います。

 

 

この位、といわれてもわかりにくいと思うので(笑)、計ってみました。

 

 

5.9gありました。(数本足して6グラムにしようと思わないのが、筆者のズボラなところです・・・(笑))

 

 

②やかんに水を入れます。水は1.5リットル。先ほどの松葉を刻んで入れます。

 

 

 

今回は直接松葉をハサミで切りながら入れました。大量に作るときは包丁で刻んでいます。包丁で切るとあちこち飛び散るのと、硬くて切りにくいというデメリットがあります。しかし、量を刻むなら包丁のほうが早いです。ちなみに当店で松葉茶を作るときは、包丁で刻んでいます。

 

③やかんを沸かすこと20分。最初沸騰するまでは中火、それから弱火にします。煮出したら、茶漉しを作ってポットに注ぎます。茶漉しがない場合は、先に松葉をお茶パックに入れておくというのも一つの方法です。あるいは入ってしまった松葉を菜箸などで外せば問題ありません。

 

 

⑤松葉茶をカップに注ぎます。松葉茶の出来上がりです。

 

 

 

今回は少しだけ赤松の葉を足しました。そのため色味がほんのり付いています。黒松だけですと、無色に近いです。

 

 

松葉茶は煎じ方によって効能が違う

 

松葉茶は飲む人によって目的が違います。健康茶として健康維持のために飲む方もいるでしょう。また別の方は何かしらの病気を改善したいという目的のためでしょう。その目的に合った煎じ方をご紹介します。

 

健康茶として松葉茶を飲む

 

健康維持のためには、10分から20分程度、軽く煎じればOK。あるいは、松葉をお湯に入れておくだけでも、松の風味が溶け出します(その場合は栓や蓋をしてお湯の熱を逃がさないこと)。上記の飲み方は健康茶としての飲み方です。

 

薬草茶として松葉茶を飲む

 

病氣などの症状を改善したい場合は、湯量が半分以下になるまで濃く煎じます。

 

ちなみに「煎じる」という言葉の意味は「乾燥させた薬草や刻まれた漢方薬(刻み生薬)などを水から煮詰めること。お湯に薬効成分が溶けだしたものを薬として飲むこと」です。

 

一日薬草10~20gに対して、水400㏄~600㏄を中火にかけます。沸騰したら弱火にして約40~50分。湯量が半分になるまで煎じます。漉してそのお茶を飲みます。残ったカスはすぐに捨てます。そのままにしていると、せっかく煮出した薬効がまた薬草に戻ってしまうからです。

 

またその日煎じたものはその日のうちに飲みましょう。翌日では成分が変化する場合もあります。また一日分を3回に分けて飲むのがベストです。飲むタイミングは食前食後どちらでも。三食食べない人は朝昼晩均等に時間を空けて飲みます(でもだいたいで大丈夫です)。

 

 

なお、松葉は長く飲んでも副作用は出ません。それは、中国の古い薬草学の本「神農本草経」に「松は上薬」と書いてあるとおりです。

しかし、一氣に症状が改善する訳でもありません。氣長に続けているうちに少しずつ改善されていきます。効果を期待するなら、長く松葉茶を飲み続けていくこと。おそらくその症状は長い年月の因果の結果なはずです。だとしたら、徐々に良くるなるのを楽しみながらお茶を飲む、そのくらいのスタンスだと長続きすることでしょう。

 

 

「松は鉄を嫌う?」その言い伝えと理由について

 

 

松は鉄を嫌う——この言葉は元植木職人の夫から聞きました。お世話になっていた親方がよく言っていたそうです。その道に長年携わっている職人さんがいう言葉には経験からの重みがあります。ただ、その理由までは聞いておらず、どういう根拠があるだろう?と思っていました。

 

薬草茶は鉄瓶で沸かさない

 

鉄がいけないのは、植物体にはタンニンがあるからです。タンニンとはポリフェノール化合物の総称でもあります。タンニンというと、お茶や赤ワイン、また柿渋などを連想する方もいらっしゃるでしょう。

タンニンの効果は

  • 収れん性
  • 抗酸化作用
  • 重金属除去

があります。

 

このタンニン、鉄イオンと結合して薬効を弱めてしまいます。タンニンの成分を弱めないために、鉄瓶ではなく土鍋またはアルミ鍋(やかん)で煎じるとよいでしょう。

 

松のタンニンは抗ガン特性あり

 

 

タンニンについて調べてんみると、松にもタンニンが含まれていることが分かりました。2022年イギリスで発表された論文によると、海洋性マツ樹皮から抽出したタンニンが抗ガン特性を示したとのことです。海外、とくにフランスでは松の樹皮をお茶にしたり、ハーブサプリメントとして活用されています。その中でタンニンが注目され研究されているようです。樹皮ほどタンニンは多くないかもしれないですが、松葉にもタンニンが含まれているのは渋みなどからでも分かります。

 

最初の方でご紹介したイタリア人医師の方の「松葉がガンに効果ある」という本もあるように、松葉の持つ高い抗酸化作用がガンなどの悪性腫瘍にも効果を発揮するということなのでしょう。

 

 

松葉茶についてのまとめ

  • 松葉茶は、生の松葉、乾燥松葉、粉末松葉で飲むことができる
  • 生の松葉茶は水から10分程度沸かせばok
  • 健康茶として飲むか、薬草茶として飲むかで煎じ方が違う
  • 松は鉄を嫌うので、鉄瓶ではなく、土鍋やアルミ鍋あるいはやかんで沸かす
  • 松のタンニンは抗ガン特性があるという論文が発表されている

日頃の健康管理のために、あるいは何かしらの病気を改善するために「日々松葉茶を飲む」という選択を取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

 

参考書籍:図解山の幸海の幸薬効薬膳事典

 

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この記事を書いた人

及川美由紀(みぃちゃん)

1969年生まれ東京都出身。2022年鎌倉より山形県酒田市に移住。「庄内に住むのなら松の良さを広めなさい」という内なる声に導かれて松仕事を始める。(好きなこと)文章を書くこと、夫と踊ること、氣功すること、ヴィーガン料理を作ること。著書に「心の病は自分で治せる」がある。愛読書は「大日月地神示」。

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