森林浴をすると、心身をケアする効果があると言われています。公園でも手軽にできるので、興味がある方もいるでしょう。しかし、具体的にどのような効果があるのか、適切なやり方はあるのかなど、わからないこともあるかと思います。そこでこの記事では、森林浴の概要や健康効果を解説し、効果的なやり方もご紹介します。

 

 

森林浴とは？

 

森林浴とは「林野庁」の提唱により生まれた、樹木に囲まれて心身をリラックスさせる行為です。樹木や草花は、「マイナスイオン」や「フィトンチッド」という物質を発生させています。

 

 

人間の肉体は酸化する

そもそも人間の身体は弱アルカリ（Ph7.35～7.45）に保たれています。しかし、身体は酸化します。呼吸すると、人は身体に酸素を取り入れます。その酸素の中で消費しきれない酸素が出てきます。割合にすると、2～3パーセント。そのわずかな消費できない酸素がフリーラジカル、別名活性酸素へと変化します。これが「からだの酸化」の仕組みです。

 

この酸化した身体というのは、Ph値が酸化に傾いていることを指します。なので、弱アルカリに戻すために、マイナスイオンが身体に必要となります。

 

 

「マイナスイオン」と「フィトンチッド」

マイナスイオンは、植物が生み出す澄み渡った空気のことで、吸うと爽やかな気分になります。植物は二酸化炭素を吸収して酸素は吐き出します。人間を含む動物の呼吸とは反対の作用をしてくれています。

 

また、フィトンチッドは、樹木が放つ独特の香りのことで、嗅ぐと心身のリラックスに効果的です。具体的には松やヒノキなどの「ピネン」を含む「テンペン類」という成分であったり、森林浴とは関係ないですが、お茶の「カテキン」もフィトンチッドです。お茶の香りで癒される、というのはこのフットンチッドのお陰なのです。

 

脱線しましたが、森林浴は、様々な健康効果が期待できるため注目されています。

 

森林浴で期待できる健康効果

 

森林浴で期待できる健康効果を、4つご紹介します。

 

• リラックス
• リフレッシュ
• ストレス解消
• 免疫力の向上

 

リラックス

森林浴をすると、樹木や草花の香りで心が落ち着き、副交感神経が優位になるためリラックスできます。森林の中では、葉や水、風、鳥の声など様々な自然の音を楽しめるので、心身をケアするのにも効果的です。また、草花や森林の緑色は、疲労回復や疲れ目にも効果が期待できます。現代人の日常生活は人工的なモノや音に接している時間が長いです。ですから、自然の色・音・香りに触れることで身体と心が緩むことができます。

 

 

リフレッシュ

植物は光合成により酸素を多く空気中に生み出すため、森林浴をすると新鮮な空気を吸ってリフレッシュできます。また、日常生活で植物に囲まれて生活している人は少ないでしょう。特に日々の生活に追われていては緊張感に包まれて過ごしてしがちです。森林浴をすると日頃の環境とガラッと変わり、リフレッシュになります。

 

 

ストレス解消

森林浴をすると、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌量が減少するため、ストレスを軽減できると言われています。ストレスが解消されると、不安や恐れなどの悩みが減り、精神的にも落ち着いて明るい気持ちになるでしょう。

 

 

免疫力の向上

樹木の香りには殺菌効果があるため、森林浴をすると免疫力の向上に効果があると言われています。前述した松やヒノキなどの「テンペン類」や青森ヒバの「ヒノキチオール」等は殺菌効果に優れています。心身が疲れていると気分が落ち込んで免疫力が低下しがちです。森林浴でリラックスすると、心にも身体にも良い影響があるでしょう。

森林浴の効果的なやり方

森林浴の効果的なやり方を、以下の3つ解説します。

 

• スマホの使用を控える
• 感覚を研ぎ澄ます
• 自然に感謝する

 

スマートフォンの使用を控える

森林浴をする時は、スマートフォンの使用を控えましょう。スマートフォンのブルーライトは、目の疲れにつながるため、せっかくの森林浴でもリラックス効果を得られにくくなります。そして、スマートフォンから発生する電磁波を浴びていては、森林浴で得られる恩恵を受けられません。またスマートフォンを開けば、SNSやインターネットなど様々な情報が飛び交っています。見るだけで頭と心が疲れが。そのため、森林浴をしている間はスマホの使用を控えて、樹木や草花などの自然に目を向けましょう。

 

 

感覚を研ぎ澄ます

森林浴をする時は、視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの感覚、五感を研ぎ澄ませるのが大切です。視覚を研ぎ澄ますと、植物の緑色からリラックスでき、普段の生活では見ることのできない自然の光景を楽しめます。

 

聴覚では、草花や水、鳥の鳴き声を聞いてリラックスできるだけでなく、目を閉じて集中すると視覚を休めるのにもつながります。嗅覚では、植物や土などの自然の香りにより癒されるでしょう。更に木に触れる、土に触れることで触覚、肌からも癒しを感じることができます。それぞれの感覚から得られるものはたくさんあるので、森林浴をする時は五感を研ぎ澄ませて自然を楽しむのが大切です。

 

 

自然に対して感謝する

森林浴して「気持ちがいいな～」と感じたら、その自然に「感謝」してみましょう。「ああ、植物のお陰でリフレッシュできた。ありがとう！」「木々があるから、鳥たちも愉しそうにさえずっているんだな、こういう場所があってありがたいな」などと感謝の念が持てると、更に心も身体もリラックス効果が上がります。

 

わたしはこの「感謝」を持てるようになってから、リラックスが格段にできるようになりました。気持ち良さが、以前にも増して感じられるようになりました。できなくてもいいし、しなくてもいいのですが、感謝できると効果倍増です。

疲れた時は森林浴で心身をリラックス！

森林浴をすると、心身がリラックスして、ストレス解消や免疫力の向上などの健康効果を期待できます。樹木や草花などの自然は、普段の生活では味わうことのできない体験を楽しめます。より効果的に森林浴を行う方法は、スマートフォンの使用を控えて、視覚や嗅覚などの五感に目を向けることです。更に「感謝」できると効果的です。

 

疲れた時もそうでないときも、森林浴をするとリラックスできます。頻繁に森林浴するのは厳しいかもしれません。でも、人間の本来の機能を高める上でも、心と身体が元気でいるためにも森林浴したいものです。森林浴は、地球から人への贈り物の一つだとわたしは思っています。